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株式会社ライフコーポレーション |
栗橋プロセスセンター センター長 |
下久保 守様 |
Q.弊社、日本キャリア工業製のスライサーだけで、18台を導入いただいています。丸刃のスライサーを利用されていた時との大きな違いはどこにありますか?
下久保さん「丸刃スライサーの頃は、担当する従業員の経験に頼るところが大きかった。というイメージです。このプロセスセンターは30年ぐらい経つのですが、丸刃スライサーを担当する従業員はベテランさんが多いです。
個人の技術に頼るところが多いので新人の方の教育にも時間がかかり、なかなか技術が追いつかなかったです。
日本キャリア工業製のスライサーを導入する前は、丸刃スライサーを多く並べて、1人1台で技術をつけてという形で、肉のスライス工程を行なっていました。
丸刃スライサーで切った肉を一度、ステンレスのバットに盛って、後方に移動します。そこで、盛り付け専任の従業員がトレーに盛り付けるという形で、連携しながら生産していました。」
Q.かなり人員と個人の技術に依存した生産体制になりますね。
下久保さん「そうですね。生産性のバラツキはありました。丸刃スライサーに慣れて、 ある程度の生産性が出せるまでは、まあ1ヶ月というところでしょうか。
毎日同じ商品を生産しているので、そういう意味では慣れるのは早かったのですけど、全員が同じクオリティで商品化できていたかというと、かなりバラついていました。後方のトレーに盛り付ける作業の段階で、品質の調整をして進めていました。」
Q.弊社、日本キャリア工業製のスライサー導入時には、どれくらいの習熟期間が必要でしたか?
下久保さん「今のマルハレスシリーズでしたら、1週間もあれば十分慣れると思います。ポイントは、スライスが自動化され、品質が均一になることだけではなくて、盛り付けの工程が直接できること。ここが生産性の向上に大きく寄与しています。結果として、人手不足がある程度解消されたといえます。」
Q.生産性には、切られる肉の無駄の比率、つまり歩留まり、という部分でも影響がありますか?
下久保さん「丸刃とAZ(AZマルハレスシリーズ)とを比べたら、大きいと思います。
丸刃の場合だと、最後の切れ端のブロック肉が残りますよね。それがマルハレススライサーの機械であれば、すべて最後まで切ってくれる。残ったブロック肉を何かに加工しないといけない手間はなくなりました。
通常であれば、残った切れ端のブロック肉を、こま切れとかほかの商品に評価替えをしていきます。その工程がごそっとないわけです。感覚でいうと、歩留まりで2〜3%は違うように思いますね。」
Q.とはいえ、機械を使う人間は一定数必要なのが現実です。今後の人材確保と生産ラインの展望はどのようにお考えですか?
下久保さん「パートさんを募集しても、なかなか採用できない時期がありました。現在では、外国人の方を採用し、現場で働いていただく整備が進んでいます。
生産現場の自動化、機械化、省人化は、より喫緊の課題です。
特に熟練までに長い時間を必要としない、日本キャリア工業製のスライサーは、機械を使う側としては必要不可欠な存在と思います。
現在、肉のスライス工程だけではなく、ミンチの工程でも、日本キャリア工業製のミンチラインを導入しています。
どちらにも『こうできれば、もっと生産性があがる』という課題は山積していますが、とくに要望ができるのなら、『自動盛り付け』の技術開発や、『省スペース化』の工夫はぜひ一緒に考えていただければと思います。
機械そのものがコンパクトになる、という考え方だけではなく、レイアウトの見直しなどで実現できる人員削減の効果もあるのではないかと考えています。
現在、当センターの畜産製品の作業工程には、220名くらいの人員がいます。そのうち、40人くらいが盛り付けに携わっている。
このあたりの省人化で生産性が向上できると革新的ですね。日本キャリア工業の製品を使っている実感としては、けっして絵空事ではないと思いますよ」